ワキガの原因は？

まずは、人間の汗について少し説明します。

人の体から汗の出る部分を汗腺といい、その汗腺には２つの種類があります。
１つをエクリン腺といい、もう１つをアポクリン腺といいます。

このうち、ワキガに関係あるのが、アポクリン腺です。
アポクリン腺から出る汗自体には、においはないとされますが、その汗が細菌によって分解されると、独特のにおいを発するようになります。これがいわゆるワキガの臭いです。

一方、エクリン腺から出る汗も、それ自体に、においはなく、細菌によって分解されることで、においを発することがあります。
こちらのにおいは、一般的にいう汗臭いにおいであり、ワキガの臭いとは異なります。

ここまでの話で分かるように、ワキガの原因はアポクリン腺から出る汗にあります。

そして、ここが重要な部分ですが、ワキガの人は、そうではない人に比べて、アポクリン腺から出る汗の量が多い体質なのです。

つまり、ワキガは病気はなく、体質であると言えます。

ワキガは体質なのですから、当然、遺伝による影響を受けます。
ここで、少し遺伝学的な話をしますと、両親のうちどちらか片方がワキガならば、約50%の確率で子に遺伝し、両親ともにワキガならば、約80%の確率で子に遺伝するとされます。

ワキガって、どんなにおい？

ワキガのにおいは人によって違いがあるため、一言で表現するのは難しいですが、一般的に、次に挙げるようなにおいで、たとえられることが多いようです。

• ゴボウのにおい
• ネギのにおい
• 鉛筆のにおい
• 酢のにおい
• 香辛料のクミンのにおい
• 古びた洗濯ばさみのにおい

ワキガのにおいとは、単に汗臭いにおい（酸っぱい）ではなく、ツンとした刺激のあるにおいであると言えます。

多汗症とワキガは違う？

多汗症とは文字通り、通常よりも非常にたくさんの汗をかく症状のことを言います。
そして、多汗症自体は、ワキガと直接の関係はありません。

多汗症の場合、エクリン腺から出る汗の量が多いので、アポクリン腺から出る汗の量が多いワキガとは、違うわけです。


しかしながら、あくまでも、多汗症とワキガとは違うもの、ということを知っておいてください。

ワキガってうつるの？

はじめに説明したように、ワキガは遺伝による体質です。
体質であって、感染性の病気ではないのですから、ワキガが人にうつるということは、あり得ません。

このことは、同じく体質の１つである「太りやすさ」を例に挙げて考えてみると、分かりやすいと思います。

「太りやすさ」は体質なわけですから、たしかに、親から子へは受け継がれることがあります。

しかし、それは、あくまでも遺伝として親から子へと伝わっているのであり、親の「太りやすさ」が子の友達に遺伝するといったことはありません。

これと同じことで、ワキガは親から子へ遺伝することはあっても、人にうつるということはありません。

ワキガの確認方法

ワキガかどうかのセルフチェックとして有効な方法は、下記のチェック方法です。

• 耳垢の状態の確認
• 血族にワキガの人がいないかどうかの確認

まず、耳垢の状態についてですが、耳垢が湿っている場合には、ワキガの可能性が高いと言えます。

なぜかというと、脇と同様に、耳の中にもアポクリン腺があり、アポクリン腺から出る汗で耳垢が湿るためです。

そのため、耳垢が湿っている人の約80%がワキガであると言われています。


次に、血族のワキガについてですが、このページのはじめのところで説明したように、ワキガは遺伝により伝わる体質ですので、血族にワキガの人がいる場合には、ワキガが遺伝している可能性が高いと言えます。